空から降る雪が雨に変わり氷が解けて水になる…といわれる「雨水（うすい）」を過ぎると、梅の蕾もほころび始め心なしか寒さも緩み、少しずつ日も長くなってきます。

名ばかりの春の立春のころとは違い、気がついたら春の足音が聞こえはじめ春の気配がもうそこまで来ています。
春と聞いて私が一番に思い浮かべるものは「菜の花」です。

そんな春の風物詩「菜の花」ですが、本来「菜の花」の開花時期は早くても（九州で）3月の下旬。
その花が咲き始める前に独特の香りとほろ苦さに早春を感じ、ひと足先に春をいただくことが季節を先取りする醍醐味。
とはいえ本格的な春の訪れはまだ少し先で、三寒四温を繰り返しながら春に近づいていきます。

この時期は冬の名残の野菜たちを楽しみながら、春の走りの野菜たちを上手に生かして春を先取りし、心をホッと和ませたいものですね。

それでは、「菜の花」と苺、これから美味しい清見オレンジを合わせてサラダ仕立てのレシピをご紹介しましょう！

菜の花の春色サラダ（いちごソース）

＜材料＞（3～4人分）
菜の花　　　　　　　…　100g
いちご　　　　　　　…　中4個（100g）
清見オレンジ　　　　…　1/2個
リーフレタス　　　　…　80g
モツァレラチーズ　　…　60g

いちごソース
☆いちご　　　　　　…　中3個（75g）
☆オリーブオイル　　…　大さじ1
☆だし醤油　　　　　…　大さじ1/2

＜作り方＞
(1) 菜の花は葉・茎・蕾に分け、葉と茎は3㎝位に切る。

(2) フライパンに菜の花の茎を入れ少量の水を加え蒸し煮にし、続いて葉 → 蕾の順に加え、色よく蒸し煮にする。

(3) いちごをサラダ用に縦8等分にカットする。清見オレンジは外皮をむき横半分に切り小房に分ける。

(4) リーフレタスは洗い水気を切り手でちぎる。

(5) モツァレラチーズは食べやすい大きさに切る。

(6) ボウルにイチゴソース（☆の材料）を混ぜ合わせブレンダーで撹拌する。

(7) (2)～(5)の食材を器に盛り(6)のソースをかける。

可愛らしい彩りのサラダをお雛祭りにいかがですか？

菜の花を徹底解剖！

菜の花は、火を均一に通りやすくするために、蕾・茎・葉の3つのパーツに分けましょう。
それぞれの特徴を生かしてお料理できます。

蕾の部分
菜の花らしいほろ苦さが際立ち香りと食感がよい
花が開く寸前が最も味わいがよい
和えもの・お吸い物・温サラダなどにどうぞ！

茎の部分
水分が通る管が通っているのでアクが出やすい部分。
走りの頃は水分が多くみずみずしい。
和えもの・炒めもの・マリネ・味噌汁などにピッタリです。

葉の部分
葉の中でもさらに かたい葉、やわらかい葉に分けて加熱すると均一に仕上がります。
和えもの・炒めもの・蕾や茎と一緒に調理しましょう。
ピュレなどにもいかがですか？

実は、菜花（なばな）は「菜の花」や「花菜（はなな）」とも呼ばれるアブラナ科の黄色い花の総称で、1種だけを限定する名称ではありません。
観賞用のほか、菜種油用のナタネ、食用のなばながあり、それぞれ品種が異なり、一般的に流通している菜花の多くは、品種改良されたものだとか。

菜花には花茎と蕾と葉を利用する和種（在来）とおもに花茎と葉を食べる西洋種の２つのタイプがあります。

菜花にはβカロテンが豊富に含まれ体内で必要に応じてビタミンＡに変わり、皮ふや粘膜を守り活性酸素を除去する働きが期待されます。
ビタミンＣも豊富で美容によいだけでなく、免疫力を高めたり風邪やがん予防にも効果があるといわれています。

また骨の健康にも欠かせないカルシウムやビタミンＫ、お子さんの成長にも欠かせない葉酸や整腸作用に役立つ食物繊維、体内の塩分を輩出するカリウムなど、様々な栄養素の宝庫。

昔ながらのお浸しやお漬物、和え物のほか、炒め物、揚げ物、スープやパスタの具、サラダなど色々なお料理に幅広く使えます。

栄養価も豊富で美味しく、春を感じさせて心までウキウキさせてくれる菜花をぜひ、添え物にとどまらずスポットを当てたメニューにお使いください。

石井郁子 プロフィール

日本野菜ソムリエ協会認定 シニア野菜ソムリエ
日本野菜ソムリエ協会認定地域校 宝塚教室主宰野菜ソムリエの最高峰である シニア野菜ソムリエとアロマテラピーインストラクターの資格を併せ持ち、「美」×「健康」×「食」をテーマにした食育活動を行う。
農水省、厚労省の食育講師、企業依頼のトークショー、カルチャースクール講師、大手百貨店主催の料理教室講師、レシピ提案など幅広い分野で活動。
石井郁子Facebook【今までの記事はこちら】https://www.branshes.jp/wpapp/blog/blog_tag/ikuko-ishii/

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